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学校の先生はロールモデルになること
2016年 5月 09日(月曜日) 00:00

中高で6年間、全ての生徒に無理矢理英語を強制している現状では、英語教育の目標は「英語が使えるようになること」でなければいけないと私は思っています。その中で、先生の役割で一番大切なものは「ロールモデル」になることです。



先生自身が英語を使っているということを、生徒に見せるのです。「英語ができればこんなにいいことがあるぞ」ということを「背中で」生徒に伝えるのです。先生を見て「自分も英語が使えるようになりたい」と思ってくれれば、生徒は自分でどんどん伸びていきます。


特に、高校の英語の先生は「英文法」が大好きです。今では、ブログを書いている英語の先生もたくさんいますが、文法だけでなく、教科書や入試問題を分析しているものが多いようです。ブログでも研修会でもメールマガジンでも、英語で書いたり話したりしている先生はほとんど見たことがありません。


「ユーザー」ではなく、「学者」志向とでもいえばいいのでしょうか。専門家と呼ばれている先生方の本を読んでも、文法を「わかりやすく」説明し、効果的な練習方法を考えるのが先生の仕事だ、という前提があるような気がしてなりません。


分析が大好きな先生は、英語ユーザーとしてのロールモデルにはなりません。下手をすれば、英語を見るとすぐに分析しなければ気がすまない英語研究家のロールモデルになってしまいます。


では、文法大好き、分析大好き、さらに付け加えれば、テスト大好きな先生は、生徒にどんなことをしているのでしょうか。


これはみなさんもご経験があると思いますが、英語の授業はダメ出しの場になってしまっています。あてられて日本語に訳すと「それではここがこの部分にかかっていないからダメ」。英語を書いたら「スペリングがダメ」「文法がダメ」。テストの点数が悪かったら「努力が足りない」「最後は根性だぞ」こんなことばかりです。「ダメ出し」が英語嫌いを生む、と言った方が説得力がありませんか?


体育の授業で何をやっても「へたくそ!」と言われ、音楽の授業で歌ったり演奏したら「へたくそ!」と言われ、美術で絵を描いたら「へたくそ!」と言われたら、誰でもその科目が嫌いになるでしょう。しかし、英語の授業では日々こんなことが行われているのです。


いろんな人から「ダメ出し」の例を聞きます。いくつかご紹介します。趣味を英語で書きなさい、という問題でhobbiesと書いたら×。正解はhobby。「いやいやhobbyを正解にするならa hobbyでしょ」と言ってもこのような先生には通じません。文法大好きな割に、ご自身は文法に無頓着なのです。これが「言語に対する感性」を高めるような指導法でしょうか。


「かわいい」を英語でsweetと書いたら×。教科書に出てきているのはcuteだから。先生にとっては、sweetは「甘い」という意味しかないようです。この先生は、「あなたは自分の子供に甘い」と言いたいときに、You are sweet to your children.と言ってしまうかもしれません。そもそも、この先生にとって英語は言葉ではなく「教科書の中の記号」なのでしょう。


テスト期間の職員室では、どの中学・高校でも英語の先生が言いたい放題、生徒の悪口を言っています。「高校生にもなって文の始まりを小文字で書くなんて信じられない!」のような書くのもつらくなるのでやめますが、延々とこんな愚痴が続くのです。黙って採点してほしいものです。


現状では英語の先生の最大の役割は、「ダメ出し」になってしまっているのです。学校だけではないですよね。電車の広告を見れば、「あなたの英語、ネイティブにはこんな風に聞こえていますよ」のように脅されます。いろんなメディアでは、英語専門家の方々が「日本人の発音は恥ずかしい」「外務大臣ともあろう人があんな恥ずかしい英語tweetするなんて」といったダメ出しをします。


しかし本当のところは、先生自身、自分の英語がいつダメしされてしまうだろうかと、日々恐れて授業にあたっているのです。いつも生徒にダメ出ししている先生ほど、自分は英語を話そうとしません。自分がダメ出しされるのが恐いからです。ロールモデルも何もあったものではありません。当然、こういう先生は「英語の授業は英語で」に反発するか無視するでしょう。


生徒にダメ出しばかりして、努力・根性を求める先生の中には、ご自身が努力することが嫌いな人も多いようです。例えばパソコン。ICTが発達しインターネット上でいくらでも英語が使える現在、残念ながら他教科と比べて英語の先生には「デジタル音痴」が多いのです。


いまだに、「MDを使いたい」という先生もざらにいます。今では、パソコンを使わないとできない仕事も多いですが、「パソコンできません」の一言で、別の先生に仕事が押しつけられます。嫌味でこんなことを言ってしまったこともあります。


「あのね、僕は生まれた時からパソコンが得意だったとでも思っているんですか。いろいろやらされて、いやいや使えるようになったんですよ。生徒には『苦手だからこそ努力しなさい』と言っておいて、自分は給料もらって仕事しているのに『私はできません』でいいんですか?」と。