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生徒が苦しむ英語授業とは?
2016年 4月 25日(月曜日) 00:00

「英語で行う授業」でなぜ生徒が傷つき苦しむのか、私には全く理解ができません。逆に、今までの「文法訳読・テスト至上主義」の英語教育の方が、よほど生徒を苦しめています。



私は今まで、中堅校から、さらに下のレベル(この言葉は好きではありませんが、便宜上)の学校で教えてきました。ある意味、幅広い学力層の生徒を見てきたつもりです。教えていないのはトップ層だけになります。その経験から言えば、生徒が英語嫌いになる、つまり英語の授業で傷つき、苦しむ原因は以下の2つです。


・文法がわからない。

・英語テストの点が上がらない。


みなさんのご経験ではどうですか。仮定法「過去」は「現在」の事実に反することを表すと言われて、「なんで現在なのに過去?」と思ったり、関係代名詞と関係副詞のどこが違うのかと悩んだり、現在「完了」なのに、なぜ「継続」していることになるのかと悩んだり、He is sleeping.が進行形だと言われ、「何で寝ているのに進行?」と思ったり、そんなことはありませんか。


今の高校生も同じです。「文法がわからない」という生徒は、先生の説明や参考書の説明にたくさん出てくる「日本語」がわからないだけなのです。どんどん使わせながら少しずつ教えていけば、そのうちわかってきます。


残念ながら、「使いながら身につける」という発想の英語の先生は日本にはほとんどいません。自分自身で英語を使っている先生すらほとんどいないのですから。英語の文章を徹底的に分析し、生徒に「わかりやすく教える」ことが仕事だと思っている先生がほとんどなのです。実は10年前までは私もそうでした。


文法大好き先生は「英語の授業を英語で行う」ことなどできません。できたとしても、長々と英語で文法の説明をされたら、たまったものではありません。冗談のようですが、実際、そういう授業を見たことがあります。


文科省の『「英語が使える日本人」の育成のための戦略構想』のおかげで、夏休みに5日間強制研修を受けさせられた時のこと。もう10年以上前の話ですがAll Englishの模擬授業を各自10分間やらされたのです。ある中学校の先生がHow manyという疑問文の導入を英語でやりました。


「英語で行う英語の授業」です。このような説明をされたら、確かに生徒は傷つき、苦しみます。先生もこんなに英語をスラスラ話していたわけではなく、つっかえつっかえでした。「えっと」「あの~」と日本語で間を持たせなければいけない始末。生徒だけでなく、先生も相当傷つき、苦しんでいました。しかし、新指導要領はこんな授業をしろとは言っていないのです。


もちろん、生徒がポカーンとしたら日本語を交えてもいいでしょう。「英語の授業をコミュニケーションの場とするために、生徒の理解の程度に応じた英語を教員が使う」とは、こういうことではないでしょうか。


もちろん、「机の上には本が何冊ある?」というのは、「見りゃわかるじゃん」になってしまうので、「うちの学校にPCが何台ある?」「君のiPodには曲が何曲はいっている?」といった、よりMeaningful(意味がある)な例を使った方がいいと思います。そこが先生の腕の見せ所なのです。文法を分析して説明するのが仕事ではありません。