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間違った英語しか見ていない?
2016年 3月 14日(月曜日) 00:00

なぜ生徒が英語嫌いになるのか、という話から少しそれますが、文法を定着させるために、学校では様々なドリルやテストを使います。ところがここにも大きな落とし穴があって、文法を教えれば教えるほど、逆に、文法力、つまり正しい英語を話したり書いたりする能力が落ちてしまう、そういう負のスパイラルが生まれていないでしょうか。




というのも、文法の問題集や、先生がつくった練習プリントに載っているのは、文法的に間違った文ばかりだからです。「正しい」英語よりも「間違った英語」の方がはるかに多く載っています。


例えば、文に「穴」があいている四択問題。選択肢のうち3つは間違いです。「誤りのある部分を指摘せよ」という問題もあります。並び替え問題などは、最初から「めちゃくちゃな」出題文を見てしまいます。「間違い」の方がたくさん目に入るのです。


文法問題だけではありません。「英作文」をやれば、まず自分が書いた間違った文を見ます先生は間違った解答を黒板で直していきますが、生徒は、直された文よりも、直される前の文を最初に見ることになります。


要するに、文法学習中心で英語に触れている生徒は、文法的に正しい英語よりも、間違った英語の方をたくさん浴びているのです。こんなに間違った文ばかり見ていたら、文法的におかしな文を書いたり話したりするのが当たり前ではないでしょうか。


全世界でミリオン・セラーとなった本には、”Grammar is not taught, but caught.”つまり、「文法は教わるものではなく、触れながら自然に1対1のコミュニケーションのなかで身につくもの」と書かれていますが、これが正しければ、まさに日本の英語授業は、間違った英語をcatchする場になってしまっていると言えます。


今まで見てきたように、専門家と呼ばれている先生方は、コミュニケーション重視の英語教育で、生徒は英語の仕組みがわからなくなり、その結果、学力は下がり英語嫌いが増えた、だから英語の仕組みを理解させるような指導をすべきだと言っています。「英語の授業は英語で行う」という文科省の新指導要領で、さらに生徒が苦しむとも言われいます。


私は逆に、今まではロクにコミュニケーションの道具として英語を使いもしないで、「英語の仕組み」ばかり教えて、テストだけで成績をつけていたので、英語が使えるようにもならないし、嫌いになる、と思っています。どちらが正解か、証明はできないとは思いますが、先生方の考え方と私の考え方と、そろそろどちらが「生徒にとってよいか」は考えなければいけません。みなさんはどう思われますか。


念のために言っておきますが、私は決して「文法など知らなくてもいい」と言いたいわけではありません。そうではなく、日本の英語学習で行われているような文法学習が間違っている、と言いたいのです。先生方が批判している新学習指導要領でも、文法についてはしっかり書かれています。


まずは、『コミュニケーション英語基礎』という科目の解説を見てみましょう。(実際には、この科目を採用している学校は少ないのですが。)


・文法とコミュニケーションを支えるものとしてとらえ、文法指導を言語活動と一体的に行うよう改善を図る。

・詳細な文法の説明等に偏ることのないように留意する。


次は、ほとんどの学校で高1の必修になっている『コミュニケーション英語Ⅰ』です。


・様々な言語活動を経験することにより,繰り返し同じ語句や文構造,文法事項などに接することとなり,生徒自身が徐々に言語を内在化させていき,定着させることができる。そのため,中学校における「英語」や高等学校における「コミュニケーション英語基礎」の学習内容に繰り返し触れることができる様々な言語の使用場面を設け,活動を通して一層の定着を図っていくことが大切である。


読んでいて頭が痛くなる文章かも知れませんが、結局、文法はあくまで「使って使って使いたおして、その中で身につけるものですよ」ということだと思います。決して「文法軽視・無視」などではないのです。「文法は使うためにある」ということを再確認しているのです。「コミュニケーション重視」と「文法重視」は決して対立するものではありません。


ところが残念なことに、文科省の学習指導要領にこんなことを書かなければならないほど、日本の文法学習が歪んでしまっているのです。(どうやって文法を身につければいいか、ということは後ほどお話しします。)