英会話スクール奮闘記
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2011年 3月 22日(火曜日) 00:00 |
時は流れ大学卒業のとき。
普通は就職するから卒業前に「卒業旅行」に行くのですが、私は就職活動を途中でやめてしまい、卒業直後に行きました。
これがなんと初めての海外旅行。旅行と言っても、どうせ行くならと思って約1ヵ月。
当時、仲の良かった大学の友達が1年間、ロサンゼルスに留学していたので、ここに泊めてもらうことにしたのでした。
友達は春休みで一旦日本に帰国して、彼女がロサンゼルスに戻る日に私も行くことにしたのですが、飛行機は別々で、現地LAX空港で待ち合わせということに。
しかし、「1ヵ月間、帰りのチケットを持たずに行くことになると、ビザが必要なので、アメリカ大使館でもらってきてください」と旅行代理店の人に言われ、わけも分からないまま、アメリカ大使館へ。
ドキドキしながら待っていると、名前を呼ばれて、受付のカウンター越しにドラマに出てくるようなアジア系CIAエージェントばりの鋭い目の男の人が立っていました。
「Can you speak English?」
と突然言われたので、驚きつつ、あわてて頭と手を大きく振りながらNOと返事。
「Really?」と確かめられて、元気よく「Yes!」と叫ぶ私。しかし、後から考えれば「Really?」と聞かれ「Yes!」と言ったら、英語でいえば「話せる」ととられるのだ。まあ大使館の人はこういう日本人英語の取り違えに慣れているだろうし、こんな答えしかできないのだから、それが話せないことの証拠にもなっていたと思うけど、確かめるためか、まだ英語で何かを言ったりしている。
だが、私が本当に理解していないと分かったらしく、いきなり流暢な日本語で、「アメリカで働きたいと思っていないですか?」と質問してきた。(日本語、話せるじゃん…)と驚きつつも、「いえ!とんでもないです!こんなに英語も話せないのに!」と必死に訴える。
激しい身振り手振りで「まさかーっ、もう全然無理っすからーっ!」みたいな軽いキャラクターの演出をした。しかし「ほんとに?」とCIAもなかなかしつこい。
実はこれ、私がビザ申請の職業欄に「看護士」と書いていたからかもしれない。
ロサンゼルスに長く住んでいる別の知り合いが「無職じゃなく、何か職業を書け」と言ったのでこう書いたのだったが、世界中でアメリカで働きたい若者なんかワンサカいるんだから、「看護師」というのも、警戒される職業なのかもしれなかった。
今となってはもう何を言ったのか詳しく覚えていないけど、とにかく「1ヵ月後に帰ってきて働く予定がある」とかいろんなことを言って、やっとビザを出してもらえたのだった。
ひと仕事終えた私はグッタリしつつ、「アメリカはなかなか手ごわい…」と思いつつ、それでもホッとしたのを覚えている。
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