英会話スクール業界は、コロナ禍で大変革の時。教室閉鎖が抱える問題点(2) |
コロナ時代の英会話スクール選び | |||
2020年 8月 18日(火曜日) 00:00 | |||
グループレッスンを主とする大手英会話スクールで次々と感染者が増えた時、文科省や経産省、厚労省はどうやって対応するのでしょうか? 教室内で人と人との接触を完全にゼロにするためには、あまりにも多くのハードルが待ち構えています。受講者としては、教室をされてしまうことがなによりも問題になります。 民間外国語教育事業者における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン https://bit.ly/3am12QS 現在、英会話スクールに通う人は約80万人。そのうちグループレッスンを受けている人は約50万人です。年度内の途中で挫折した人は含まれていないので、おそらく実働数は25万人くらいです。 つまり、まだ25万人もの人が5人以上のグループレッスンを受けていると推測されます。いまだにマンツーマンレッスンを受けようとしない人は、かなり強固な動機を持っていると思います。 「皆と同じでいい」、「講師と1対1だと緊張する」とか、あるいは単に「めんどくさい」という人もいるはずです。 文科省や経産省、厚労省は、ただガイドラインを作成しただけで結局、何の手も打っていません。政府の持続化給付金など普及策を打っても、長期的な対策として考えられていません。 感染リスクが少ないマンツーマンレッスンを義務化したとしても、グループレッスンしか受けたくない人は一定数いるはずです。それも、受けられないからではなく、受けたくない、という積極的な動機を持っていると思われます。 「そこまで言う人はレッスンを受けないでください」と言うのは簡単ですが、それでも現状としては、大人数でのグループレッスンを今日も受けているわけで、そこをバッサリ切り捨てるべきではないし、切り捨てる必要もありません。 ■大手英会話スクールのグループレッスンは、メリットよりもデメリットのほうが多い 経産省は、新型コロナウイルス感染症対策として対面授業を最大限控え、オンライン授業の方針で検討しています。やむを得ず対面授業等を継続する際は、グループレッスンではなくマンツーマンレッスンに限るということです。 それほど言い切ってまで、なぜオンライン授業を進めたいのかその理由を聞きたいですが、そんなことをわざわざやるより現在すでに教室ががあるのだから、それを拡充したほうが簡単ではないでしょうか? 「利用者の混乱が起こらないよう配慮し、オンライン授業を段階的に導入、拡大することを想定している」という文科省などの文言を読むと、新型コロナウイルスを口実に、無意味かつ延々と続く新たな業務を作り出して、縄張りを広げたいだけではないかという疑念も出てきます。 今後は、グループレッスンを受けている受講者が右往左往することになりそうです。数年経っても、「マンツーマンレッスンやオンライン授業なんて知らなかった」という人は出るに違いありません。 仮に「Amazon Go」のように教室が完全無人化された場合、受講者はどうやって学習アドバイスを受けるのでしょうか?誰も対応してくれなければ、パニックになってクレームが増える懸念があります。 英会話スクールは、有料とは言っても公共設備の一つです。その利用を受講者に限定するというのは、教室運営側の得られるメリットに対してデメリットが多すぎると思います。
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