[倒産危険度コラム]矢野研究所のよる「語学ビジネス市場」に関する調査結果 2015年度 |
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矢野研究所のよる「語学ビジネス市場」に関する調査結果 2015年度について、詳しく見ていこう。 【調査結果サマリー】 ●2014 年度の語学ビジネス総市場規模は前年度比 100.5%の 8,131 億円 2014 年度の語学ビジネス総市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比 100.5%の 8,131 億円であった。なかでも e-learning と幼児向け英会話教材市場が好調であり、市場全体を牽引したものの、ソフトウェア市場、通信教育市場、電子辞書市場がいずれも大幅に減少したことから、全体としてはほぼ横ばいで推移した。 ●e-learning が大きく伸長 2014 年度の e-learning市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比115.4%の 75 億円と大幅に拡大した。なかでも、Skype などを活用した英会話サービスを提供している主要事業者が、大きく売上を伸ばした。この背景には参入事業者の株式上場や テレビCM の広告活動により、同サービスの社会的認知の拡がりがあるものと考える。 ●2015 年度の語学ビジネス総市場規模(主要 14 分野合計)は前年度比 101.7%の 8,271 億円を予測 2015 年度の語学ビジネス総市場規模は、事業者売上高ベースで前年度比101.7%の 8,271 億円を予測する。今後も e-learning や幼児・子供向けサービス(幼児・子供向け外国語教室、プリスクール、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、幼児向け英会話教材)を中心に堅調に推移するものと考える。 矢野経済研究所では、次の要綱にて国内における外国語学習に関わるビジネスの調査を実施した。 1.調査期間:2015 年 4 月~6 月 2.調査対象:外国語学校、出版社、電子辞書メーカー、ソフトウェアメーカー、e-learning事業者、通信教育事業者、語学学習教材販売事業者、資格試験運営団体、留学斡旋業者、通訳・翻訳ビジネス事業者等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談取材及び、電話・FAX によるヒアリング、文献調査併用 <語学ビジネス市場とは> 本調査における語学ビジネス市場とは①成人向け外国語教室市場、②幼児・子供向け外国語教室市場、③プリスクール市場、④幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、⑤書籍教材市場、⑥語学独習用機器・ソフト、⑦電子辞書市場、⑧幼児向け英会話教材市場、⑨通信教育市場、⑩e-learning 市場、⑪ソフトウェア市場、⑫語学試験市場、⑬留学斡旋市場、⑭通訳・翻訳ビジネス市場の主な 14 分野を対象とする。 なお、⑫語学試験市場、⑬留学斡旋市場、⑭通訳・翻訳ビジネス市場については語学関連サービスとして、周辺ビジネスと定義している。 【調査結果の概要】 1. 市場概況と将来展望 2014 年度の語学ビジネス総市場規模(主要 14 分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比100.5%の 8,131 億円であった。なかでも e-learning と幼児向け英会話教材市場が好調であり、市場全体を牽引したものの、ソフトウェア市場、通信教育市場、電子辞書市場がいずれも大幅に減少したことから、全体としてはほぼ横ばいで推移した。 また周辺ビジネスのうち、語学試験市場においては TOEIC の受験者※が増加し、留学斡旋市場ではグローバル人材育成のために教育機関や自治体の補助金が活発化したほか、通訳・翻訳ビジネス市場は企業の業績回復やグローバル化の進展等により拡大している。 2015 年度の語学ビジネス総市場規模(主要 14 分野合計)は前年度比 101.7%の 8,271 億円を予測する。今後も e-learning や幼児・子供向けサービス(幼児・子供向け外国語教室、プリスクール、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、幼児向け英会話教材)を中心に堅調に推移するものと考える。 ※出所:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 2. 主要分野の動向 2-1. e-learning 市場 2014 年度の e-learning市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比115.4%の 75 億円と大幅に拡大した。なかでも、Skype などを活用した英会話サービスが急速に拡大した。この背景には参入事業者の株式上場や TVCM 等の広告活動により、同サービスの社会的認知が拡大したことがあるものと考える。一方で、主要事業者の大幅な業績拡大とともに大手語学教室運営事業者の参入も相次ぎ、競争は激化している。2015 年度の同市場規模は前年度比 106.7%の 80 億円を予測する。 2-2. 幼児・子供向け外国語教室市場 2014 年度の幼児・子供向け外国語教室市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比 104.0%の 990億円であった。文部科学省より 2013 年 12 月に公表された小中高等学校を通じた英語教育全体の抜本的充実を図るための計画が契機となり、保護者層の早期英語教育への関心が高まっている。また様々な分野においてグローバル化の進展もあり、保護者層におけるより一層の英語教育への投資も進むものと考える。今後も英語を中心とした幼児・子供向け外国語教室の受講者は増加傾向にあるとみられることから、2015 年度の同市場規模は前年度比 111.1%の 1,100 億円を予測する。 2-3. プリスクール市場 2014 年度のプリスクール市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比 104.0%の 310 億円であった。幼児・子供向け外国語教室市場と同様に、子供を小さいうちから英語に慣れさせようとする保護者層が増えている。当該市場の主要なターゲットは従来、幼児教育への意識の高い都心に住む富裕層ではあるが、近年では富裕層に限らず、早期英語教育に対する高い関心を持つ保護者層に向けて、週 1,2 回でも利用可能なプリスクールも増加している。2015 年度の同市場規模は前年度比 112.9%の 350 億円を予測する。 2-4. 幼児向け英会話教材市場 2014 年度の幼児向け英会話教材市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比 107.4%の 290 億円であった。保護者層において英語教育の早期化への意識が高まっていることを背景に、市場規模は拡大傾向にある。一方で、上述の幼児・子供向け外国語教室やプリスクールとの競争が激化することから成長率は鈍化し、2015 年度の同市場規模は前年度比で横ばいの 290 億円を予測する。
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