ただ漠然と英語学習を始めても、成果は上がらなくつまらないので継続できないものです。実際に英語力がアップした商社マンたちに最も効率的な英語学習方法について聞いてみました。
刻一刻とタイムリミットが迫っていた住友商事の矢島いずみさんが一念発起したのは、入社3年目の時でした。4年目までにTOEIC700点以上を獲得できなければ、海外赴任の要件に響くからというわけです。動機の大半は入社時点で基準をクリアしていました。
英語での落ちこぼれは社内でも少数派で、同期から完全に後れを取っていたそうです。しかし、矢島さんは短期集中(半年)で英語を特訓することを決めました。もともと体育会系だった矢島さんは、まるで筋トレメニューのように英語学習に挑んだのです。
矢島さんが選んだ教材はTOEIC公式問題集5冊でした。別の教材を試してみたものの、自分の英語レベルに合わないと感じました。公式問題集であれば合う合わないではなく、類似した問題が本番でも出題されます。別の教材に浮気するのをやめたというわけです。
やったことは極めてシンプルで、1冊に2回分のテストが収められているので、合計5セットを半年間飽きることなくやり続けました。本番のテスト形式とおなじく1セット解くのに2時間、f句集に1時間をかけました。
1日3時間の勉強時間を確保するように努め、土曜日には、マンツーマンレッスンが受けられる英会話スクールにも通いました。そして半年後、スコアは310点から770点までアップし、楽々と基準を突破し2017年にカナダ駐在が決まりました。
一方、伊藤忠商事に勤務する宮本史也さんの入社時のTOEICスコアは610点でした。大学院卒で理系の英語論文を読むことに苦痛がなく、特に英語に対して不自由を感じていませんでした。ある日、上司から英語をもっと勉強しろと言われたことで宮本さんが選んだ方法が英会話スクールでした。
驚くべきはその料金で、大手のベルリッツやGABAでマンツーマンレッスンを1回40分受けるだけで1万円ほどかかるというのです。それでも、向こう40年は仕事を続けるとして1年に1万円の出費だと思えば問題ないと思ったそうです。
実際に宮本さんのスコアは50点以上もアップしました。自分への投資はカネを惜しまないというスタンスは、宮本さんのみならず、商社マンは共通していることがわかりました。商社マンの語学習得法を見れば、巨額の費用を投じている人が少なくありません。
30万円以上のコストをかけている人の大部分は英会話スクールにカネを投じているようです。商社マンによってスクールの選定はバラバラですが、そんな中でも人気が集中したのは、マンツーマンレッスン専門校のGABAとAtlasでした。
自分に投資すること自体が、学習継続の動機づけになっているのです。正に、英語は学ぶものではなく、鍛えるものだということが証明された取材になりました。
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