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高校での中国語授業からわかること
2016年 12月 05日(月曜日) 00:00

先にお話しした通り、私は大学で中国語も専攻しましたので、英語の教員免許をとるついでに中国語の教員免許も取りました。2校目の学校から今まで10年ほど、選択科目で中国語の授業もしています。



中国語の文法は、特に入門段階で英語に比べると漢字以外に覚えることがたくさんあります。動詞の活用は、主語の人称に応じて形が変わります。それも全ての時制ついてです。それでも文法の説明は一切していません。活用という言葉すら授業では使いません。しかし、生徒たちは、ほぼ正しい文法を使って会話や作文をします。生徒は私が示した例を真似しながら、どんどん使っているからです。もちろん間違えます。そのときは、すかさず私が直します。


中国語のテストはしません。授業での活動のみで成績をつけています。生徒には、「文法を間違ってもいいからどんどん話して書きなさい」としつこく言っています。誰も「文法がわからないから中国語の授業が苦しい」とは言いません。中学の英語でもこんな感じでできないかと思っているのですが、どうでしょうか。


ここでも流暢さ重視というと、必ず聞かれるのが「入試はどうするんですか?」ということです。この点はあまり深入りしたくありません。せっかく流暢さ重視でやっていても、最終目標がテストだったら何の意味もないと生徒たちが考えてしまうからです。正直、テストの点をあげることだけが目標なら、私が紹介したようなやり方はしてほしくないと思っています。中には、自分の子どもに多読・多聴をやらせて「英検1級をパスしました!」と誇らしげな保護者もいますが、正直、「頭がどうかしているんじゃないか」と思ってしまいます。


一言だけ申し上げておくと、私の生徒たちは、英検や入試でも、他校と比較すると圧倒的に少ない時間の勉強で成果をあげています。文法問題ですら、何度も過去問をやっているうちに感覚だけで半分くらいは正解するようになっています。長文読解問題は、同じレベルの他校と比べて圧倒的にできるようになっています。


全国の進学校の中で流暢さ重視の方針でやっている教員の報告によれば、模試の偏差値も文法訳読・試験対策中心のクラスと比較して上昇率が高いというデータもあります。


「テストができても英語が使えない」のはみなさんも納得できる事実でしょう。しかし、「英語が使えればテストもできる」と私は思っています。妄想ではなく、5年間、流暢さ重視の英語教育を受けた自分の生徒を見てそう感じているのです。