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【ジオス・廃業による反省点】2008年11月の業界最大手NOVA破たんから2年後にジオスが潰れた
2010年 4月 22日(木曜日) 00:00

ジオスの反省と次に潰れる中堅・大手英会話スクール



英会話学校スクール大手のジオス(本社・東京)は2010421日、東京地裁に破産手続きの開始を申請し、保全管理命令を受けたと発表した。

負債総額は約75億円。ジオスは、運営していた国内約330校のうち、約230校をジー・コミュニケーション(名古屋市)へ譲渡し、残る約100校はクローズする。

今回の事業譲渡に伴い、約3万6800人の受講生のうち、約2万9000人は引き続き通学していた学校で授業を受けられる。また、クローズされる学校の受講生約7800人は、近隣のジオスの学校に転校すれば、受講は可能だ。ただ、すでに支払っている受講料については、払い戻しは難しいとしている。


200811月の業界最大手NOVA破たんから2年後、今度は業界第3位のジオスが潰れた。ご存知の方も多いことと思う。ジオスでは国内校の他、海外でも教室を展開していた。ただ国内ではここ数年、不況や節約志向にくわえてNOVAの経営破たんで英会話学校の需要が縮小。オーストラリアでは運営上の問題があって、経営に行き詰った。ジオスの役員らが、同日、記者会見し「経費削減を進めてきたが、売り上げ減を補えなかった」と破たん理由を説明しているが、私の意見はこうだ。オーストラリアなど8カ国の海外校の赤字をまともにくらった説と、世界の中でもある程度利益を出していた日本の英会話スクールが、代表のマーケティング戦略転換によって、売り方をガラっと変えて失敗したという説が有力だ。
 

内部事情を明確に把握しているわけではないが、その後の動向を見てみると、どうもどちらも正しいというのが本当のところのようだ。

2008
年のリーマンショックから世の中不況だ不況だと叫ばれて久しい。英会話スクール業界でも悲観主義者はこの不況と自社の台所事情を結びつけ、「英会話業界も厳しい」と方々に言って回っている者も多い。
 

しかし、実際にはジオスの廃業はリーマンショック1年半後で起こったことであるから世界同時不況などという理由はまるで成り立たない。立て直す時間はたくさんあったはずだからだ。まして、ジオスの経営者がずさんな経営を行っていたなら不況ではなく、経営方法に問題があるのは自明の理だ。

まだある。インターネット時代に半年で30万円の英会話チケットが売れるはずがない。不況のあおりをくらったというよりは、時代の流れに取り残されたというのが正しいスタンスだろう。世の中の英会話スクールは、マンツーマンレッスンが中心で、603000円がまともな考え方だ。ましてや一括払いができる人は全体の数パーセントで、ほとんどの人は、ローンと言う聞こえのいい借金をしてレッスンを受けている。それも上達しないグループレッスンで。

世の中の不況は確かにはっきりと出ているところがある。例えば映画産業は前年比マイナス数十パーセントと不振にあえいでいる。しかし、その中でもスクリーンの大きい映画館の集合体が次々とオープンしているのを見ると、業界内での勝ち組みと負け組みがはっきり分かれてきているのを読み取ることができる。
 

伸びるところはより伸びる。ダメなところはさらにダメ。これが今の日本の図式だ。
 

では、英会話業界はどうか。英会話スクールに限ったことではないが、教育産業全般は前年比マイナス5%と下降を示しているが、まだましな方だ。少なくとも世の中の業界では期待の持てる数値だ。

ではなぜ教育業界が伸びているのかというと、理由はやはり不況の一言に尽きる。
 

このような不況にあえいでいる時代だからこそ、人はスキルを身につけようとする。また、勝ち組みと負け組みがはっきりすると言うことは、少なくとも勝ち組みに属する組織が勝つために自助努力を惜しまない。例えば、IBMが課長昇進にTOEIC600点以上という基準を設けたことなどはいい見本だ。
 

教育熱が上昇する原因がちゃんとあるのだ。このような現象は子供の世界にも起こっている。20世紀後半の常識では、いい大学に行くために塾に行かせる家庭が多かったのが、さすがに親も世の中を悲観してか、21世紀に入って、実質上役に立つ英会話やパソコンを習わせるケースが増えた。2,3歳から英会話に投資する親が珍しくなくなっているのだから、少なくとも子供英会話を経営しているスクールにとっては朗報だ。

不況が英会話スクールの収益に何の影響もない、いや、かえって上昇しているという流れはつかんでいただけたと思う。

廃業の根本的な原因は、いまさら説明するまでもないが資金が焦げ付くことだ。一番わかりやすいのは赤字だろう。しかし、ここに至るまでには根本的・潜在的な要因がある。

既に書いたように、インターネット時代に半年で30万円もするチケット商売などは。経営ベースの問題だろう。経営者の間違った方向への独裁も哀れな結末を迎える大きな要因だ。しかし、特筆に価する原因がもう1つある。

2006年のNCB英会話教習所、07年のLADO、そして08年の業界最大手NOVAに共通している傾向は、強引で悪徳な営業だ。
 

ジオスはの分析で言うところの、NOVAに近い形態を採っていた英会話スクールだ。売上至上主義で、10年以上も継続して営業を行っていた純粋な営業員は別としても、かなり強引な方法で売りつけていたということも耳に入ってくる。
 

優秀な営業員ベースの経営方法で、悪徳営業員を抱えることは致命的だ。NCBはさほどでもないようだが、LADONOVAの強引な営業行為はかなりのものであったらしく、この影響をまともに受けた顧客が立ち上がって通産省(当時)にかけあった程である。
 

この結果として、現在は訪問販売法改正の恩恵を受けることができる。彼らの運動によって法律ができてしまうぐらいだからそのひどさがうかがい知れるというものだ。

そのLADONOVAも同じだが、ジオスも実は営業を停止するぎりぎりまで生徒募集をかけていた。少しでも現金を回収して、経営破たんに備えようという心積もりであったらしい。生徒からすると首をひねる話だが、何とか収支を計上して撤退したいという経営者の考えはわからなくもない。

とはいっても、ジオスはさすがにNOVAのようにひどいわけではなかったらしく、生徒の他校への移転も割とスムーズに済んだと聞くし、事前にジーコミュニケーションへ受け渡しを前もってしていたぐらいだから、それほどは跡を濁さなかったようだ。

肩を持つような執筆になってきたが、だからといって傾向が否定されるわけではないのだ。潰れるスクールの傾向として強引な営業行為は重要なパーツのひとつであるということは、今スクールを動かしているしている経営者も知っておくべきだろう。


次に危ないのは、業界2位だった「イーオン」である全国展開をしている英会話スクールを見れば、去年秋に規模を縮小した「ベルリッツ」や「GABAマンツーマン英会話」も危険水域に入ってきているのではないだろうか。中堅を見てみると、「イングリッシュ・ビレッジ」や「セブンアクト」も危ないと思っている業界通もいる。

直接的な理由を知りたい方はまだ多いと思う。経営者は一体どのようなマーケティング上のミスを犯したのか、と。既に現存しない英会話スクールなので証拠となるデータが不足しているが、現在手元にあるデータを基に検証してみるとこうなる。

我々の言うところの大手のスタイルだ。大手と言えば、NOVA、ジオス、イーオンである。この大手スタイルは広報力と、ノウハウが根本となるから、このあたりは培っていたが、資金力のなさでジオスが急に転換するのにはやや無理があったと思われる。いきなりやろうと思ってできるスタイルではないのだ。大手と呼ばれる英会話スクールのスタイルの原理原則として「資金力」は避けて通ることができない。これは単発でいかに大きい現金があるということよりも、継続して利益の何10%を広告宣伝費に当てることができるという計算が必要だ。
 

特にマス・マスマーケティングは継続してイメージを作らなければ効果がなく、毎月少ない予算しかなければ、費用対効果を考えると出さない方がましだからだ。

しかし、ジオスは出した。マスマーケティングの最大のものはテレビのコマーシャルだが、何億~何十億もかかるコマーシャルにチャレンジするほどの資金力はすでに2007年ごろからはなく、単に効果の見込めない、安い部分に一生懸命投資をした。


最後に、余談だが、95年、98年、01年、04年、06年、08年、10年と、3年ごとから最近は2年ごとに縮まって中堅以上・大手の英会話スクールが潰れている。次は2012年に注目すると業界の方向性が見えてくるかもしれない。それがイーオンなのか、GABAなのか、だいたいわかってくるはずだ。