3パターンの英会話スクール料金システム |
英会話料金比較表 - 英会話料金比較表 | |||
2012年 2月 29日(水曜日) 00:00 | |||
■一括前払い、月謝制、毎回払い制について料金形態にはひとつの特徴があります。 大手英会話スクールほど一括払いがほとんどで、中小規模になればなるほど月謝制が多いのも特徴的です。また、中小規模のスクールのキャッチフレーズはこのようなものが多く見られます。 「支払いやすい月謝制」 中小規模のスクールが、英会話スクール業界という土俵で勝ち残るために価格で努力するのは納得がいくのですが、 料金の支払方法で経営側に有利なのは、一括前払いだと言えます。経営の視点から見ると、まとまった高額が一気に入ってくる方が、ビジネスの展開を把握できやすいという面もあります。 一方で月謝制は、生徒の立場に立ったいい支払方法ではあるものの、生徒が必ずしも長期間継続してくれるとは限らないので、ある日突然収入が途絶えるというリスクが必ずつきまとう。これは経営上非常に痛いものです。 この月謝制と一括払いのどちらにも属さないのが、Atlasマンツーマン英会話やセブンアクトが行っている毎回払い制です。教室でマンツーマンレッスンを提供しているので、支払いはその都度、レッスンごとに講師に対してレッスン料を支払う。 月謝よりもさらに細かく区切ることになるので、生徒にとっては都合のいい、お財布にやさしいシステムと言えますが、経営側の収益性の面では月謝制よりもさらに毎月の定期収入に不安定さが生じるというデメリットもあるとも言えるのです。 ■イーオン、ECC、NOVAの集客方法これらの大手スクールの大きな特徴は、規模の大きな大量集客に代表されます。広告に対し、テレビのコマーシャルから街中の看板、各雑誌への掲載など、隙間を見つけるほうが難しいほどに知名度を上げる努力をしているし、その効果は十分に見ることができます。おそらくイーオンやECC、また元最大手のNOVAの名前を知らない日本人はほとんどいないと言っていいでしょう。 このスタイルで集客を進めるにはかなりの体力と広報技術が必要とされます。例えば2007年11月にNOVA、2010年4月にジオスが潰れましたが、これなどは広告に費やした金額を回収できなかった良い例でしょう。また、日本の俳優や女優をイメージキャラクターにしているECCやNOVA亡き後の業界1位イーオンなどは、継続してそのスターを企業イメージに打ち出すことに成功しているとは言えません。昔のことですが、ジオスは金城武のイメージを打ち出すことには成功しました。スクールの顔を見せるには、今少し努力が必要なのではないかと思います。 ■Atlasマンツーマン英会話、セブンアクトの集客方法Atlasやセブンアクトは、最も興味深く画期的なビジネスモデルです。IT企業に詳しい人ならご存知のように、ブロードバンドの発達により今までの集客方法は通用しなくなったのが21世紀に入った頃でした。ビジネスモデル自体が「マンツーマン・マーケティング」と「サプライチェーン・マネジメント」の部類に入り、DELLコンピュータが有名な例として挙げられます。 Atlasのレッスンスタイルは全国の駅前にランゲージスペース(教室)を置き、担当講師がマンツーマンでレッスンをした後に直接生徒から受講料をもらうシステムです。また、セブンアクトは講師の自宅を使ってプライベートレッスンを行う方法ですが、2002年頃に簡単に真似をされ、たくさんのカフェレッスンスタイルの英会話スクールが登場しました。ですが、ほとんどのカフェレッスンスタイルは、2007年が終わる頃には、そのうちの95%は早くも経営困難のために撤退、またはホームページ閉鎖に追い込まれ、利益が上がっているのはAtlasとセブンアクトだけになったのです。 サプライチェーン・マネジメントというのは、簡単に言うと、注文を受けて製造を外注で発注し、支払は自分のところで受け取るという実に都合のいいシステムと言えます。しかし、DELLやIBMなどはこの集客方法で世界のトップ企業になりました。まさに実証済みというわけです。 日本で成功した極めてレアなケースだと言えるこのAtlasとセブンアクト。しかし、これからスクールをオープンさせる経営者には非常に取り入れやすいいいシステム、とは言えないでしょう。なぜなら、Skypeの登場でマスメディアの中では揺るぎのないニュース性を持った英会話ビジネスがあります。インターネットやテレビ電話を使った「オンライン英会話」も人気があるからです。 フィリピン人を採用したスクールが多いのですが、フィリピン国内のブロードバンド技術が脆弱で停電も多いのが問題点です。2012年の英会話スクール業界予想はオンライン英会話によって変わってきますが、先行きは少しだけ明るいでしょう。2012年が終わる頃には今の10倍のフィリピン人採用によるオンライン英会話スクールが開校し、そのうちの95%は1年目で経営困難のために撤退するのがこの10年間だったのです。残りの5%の中でも利益が上がるのはそのうちの3、4社だろうと予測されます。実に厳しい業界なのです。
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