英会話スクールの財務体制の分析を行ったことがありますが、スクールランキングに出るデータは、当然ながらスクール側が公表できるデータです。したがって、たとえば総予算に占める人件費率のデータは、どのサイトでも見たことがないというのもそういう状況を物語っているのでしょう。
グループレッスンの場合、3人の少人数だと、まだいいですが、4人以上6人未満だとちょっとまずいんじゃないか、黄色信号じゃないかと思うのです。これが7人以上のグループレッスンだともう明らかに赤信号、ということになるわけです。
ところが、いまだにグループレッスンというコースが日本の英会話スクールには存在していて赤信号どころではなく、とっくに全面交通停止になってもおかしくない中学・高校の英語の授業と変わりない英会話スクールはたくさん存在しているのです。
なぜ、グループレッスンを提供しようとするのか。しかも、その状態を当たり前のように長年続けてきたのか。その要因はすぐにわかります。講師の数が異常に少ないのです。
なぜ講師の数がそんなに少ないのか。ほとんどのグループレッスン主体の英会話スクールでは、日に50分で8レッスンも教えさせているのです。これにはいささか驚きました。経費削減のため講師を少なく採用し、精神的にも肉体的にも限界スレスレで運営しているのです。
もう少し運営に柔軟性があれば、それほど人件費率が低くならないようにコントロールできるはずです。コントロールできたとしても、そこにもまた一種のごまかしが存在したりするのです。実は、人件費率と合わせて考えるべき必要なポイントがあります。人件費の内訳、正社員とアルバイトの割合はどうかといった点で
アルバイトの講師は人件費削減のためかなり安く使われている、という話はどの英会話スクールからも聞こえてきます。当然、アルバイト講師の割合がお送れば全体のコストは下がることになります。そして、表に出るトータルの人件費がこうした圧縮策の反映されたものだとすれば、だまされてはいけないということです。
このように英会話スクールの出すデータは、そのスクールが出したいデータであり、数字だということ。そのことを英会話スクールをあまりご存じない人々があれこれというのはあまり意味があることとは思えません。
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