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レアジョブのコスト構造と月額課金制の罠
経営力で分析優良?ダメ!!英会話スクールの研究
2016年 4月 29日(金曜日) 00:00

考え方によっては、25分129円のレアジョブ対40分7,500円のGaba(ECC、イーオン、ベルリッツもほぼ同料金)という構造を作り出せているのは明らかにコスト構造に優位性があるからこそできることだ。ここで、コスト構造を詳しく見ていきたい。


通常の英会話スクール(GABAとCoCo塾の2014年決算を参考)

売上原価:人件費、委託報酬、家賃、その他

販管費:本社人件費、マーケティング費、本社家賃、その他


売上原価の「スクール人件費」「委託報酬」この2点が、レアジョブとGabaとCoCo塾で構造が異なるのと、そもそも売上原価にレアジョブは家賃が入らないという点がコストを圧縮している。GabaとCoCo塾の「人件費」「委託報酬」は、1回あたりのレッスンで必ず発生するものになる。この1回あたりのレッスン費を発生させるのではなく『月額課金』がレアジョブの成長ドライバーと言える。


月額課金モデルほど相当優れたビジネスモデルはないと、モバイルコンテンツの事業に携わった経験からも私はそう感じる。月額固定にすることで毎日25分レッスンすれば1回あたり最安129円になるが、さすがに毎日レッスンを受けるユーザーはほとんどいないし、1ユーザー当たりの月間平均利用回数は感覚値ですが4~5回というデータがある。週に1回という計算だ。

それでも1回あたり1,000円くらいで十分安いのですが、それに加えて「委託報酬」などにあたる人件費がフィリピン人なので、日本の教室でアメリカ人やイギリス人講師に支払うより安く抑えられる。フィリピンの大学生の時給200円として、数値が10倍とかにぶれることは感覚的になさそうなので200-500円くらいのレンジかなと思う。


仮に1ユーザー月額5,000円で5回のレッスンで、時給500円(厳密にいうと1レッスン25分とすると半額の250円)だと勘定しても粗利3,750円にはなる。

レッスン回数と時給という変数はあるが、十分に利益が出るビジネスモデルだ。仮に25分の1レッスンあたりの原価を250円と仮定すると、損益分岐点は月20回のレッスンと言える。相当熱心なユーザーでないと月10回も頑張れるはずがない。


レアジョブは「英語が話せる日本人が増えてほしい」というビジョンを持っているようだが、収益的には月額会員になってもらってレッスンを利用しないという逆フリーライダーのような形が最も利益を生む形となると推測する。

ヘビーユーザーが増えても十分に利益が出せそうな体質ではあるが「月額課金モデルほど優等生的なビジネスモデルはない」と私が指摘する背景にはこの「逆フリーライダーの発生」という現象があるのだ。


レアジョブの競争優位性のまとめ

①  スクール(教室)を持たないことによる売上原価の圧縮

② 月額課金制による安定的なキャッシュフロー

③ フィリピン人講師による人件費の圧縮

④ 上記の継続による継続的に利益が出る体質


営業利益を年次で推測してみると

売上:50億円

売上原価(人件費):月額10レッスン、1レッスン25分250円と仮定=2,500円⇒売上の半分なので15億円

販管費(本社人件費)社員40人×年収500万円=2億円

販管費(マーケティング費):数億円(テレビCMは出してないので3億以内と見られる)

その他雑費:数億

推定営業利益:5億円は残るでしょ。


やはり、ビジネスとしては十分良い数値と言える。2013年に時価総額100億-200億レンジ以上での上場を果たしたが、公開情報から推測するとこういう分析結果となった。