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20年の英会話スクールの歴史
経営力で分析優良?ダメ!!英会話スクールの研究
2015年 9月 25日(金曜日) 00:00

「あなたの通う英会話スクールが危ない!」

「NOVAジオス破綻後、生き残る大手スクール淘汰の時代!」


2008年以降、マスコミでこんなタイトルを掲げた特集記事が目立つ。わが世の春を謳歌してきた英会話スクールが「厳冬の季節」へと突入した。マスコミはその事実を敏感に嗅ぎとり、競って悩める英会話スクールの実態報告に力を注ぎ出した。


日本の大手英会話スクールは、90年代初旬から2008年頃まで拡大主義を貫いてきた。相次ぐ支店開校、既設スクールでの新コース新設など、サービスという「器」だけは、一応、整備充実されてきた。

生徒の増加現象にはそれでも追いつかず、2008年まで大手英会話スクール側の売り手市場ぶりが際立っていた。教育熱心な国民性が、子供を積極的に近所の英会話教室に入学させた。また、親子ともに抱く子供の将来性イコール英語力との甘い認識が重なり、ECCジュニアやNOVA Kidsなどのフランチャイズ経営へと駆り立てた。

全国の英会話スクールの2014年春の生徒数は約60万人余りで、ちょうど20年前の1994年の生徒数と比較して2倍という伸びを示した。TOEICや社内英語公用語による将来的な海外駐在者の短期集中コースの生徒のカサ上げ分を入れても、65万人になった。ちなみにピーク時は2007年でピークの110万人以上の受講生がいた。


しかし、わが世の春の英会話スクールは、ここに来て暗転してしまった。「消費税増税」や「インフレ」という言葉を忘れていた英会話スクールが厳冬の季節に突入し、その試練を迎え出したのである。


従来、順調に伸び続けてきた英会話スクールの受講数が、平成18年の112万人をピークに下降カーブを描きだした。さらに翌年以降は歳月を経るごとに受講生が減少傾向をたどることとなる。NOVA破綻時の2008年4月の76万人、ジオス破綻時の2010年4月の53万人、東日本大震災が起きた2011年4月の47万人……。

2度目のベビーブーム到来は、団塊の世代が結婚した20年余り前であった。その時、大量に産声を上げた団塊ジュニアのほとんどが現在40歳を過ぎ去ろうとしている。彼ら、彼女らは、高校・大学入試では過当競争を生み、また卒業後、そのまま大手英会話スクールに過剰施設を残した。


「生徒がグループレッスンの募集定員に満たない」

「定員を何とか確保したものの、レッスンが継続して受けてくれる生徒が集まらない」

との悩める大手英会話スクールが、今後、いくつも現れるのではないかと推測される所以である。


英会話スクール、とりわけ自助努力を強いられる中堅規模のスクールが、ここに来てやっとウチのスクールは絶対潰れないとの認識が、単なる「神話」でしかなかったことに気づき出したのも英会話スクール淘汰の時代が目前に迫った2006年だった。


「一流の中小規模スクール、三流の大手スクール」

学習塾や英会話スクールなど教育業界を揶揄した言葉である。今日の語学教育にはたしかに社会に役立つ受講生を養成するだけの実力が備わっているとはいいがたい。フィリピン人をネイティブスピーカーだと名乗って教えている英会話スクール。20歳そこそこの若造・イケメン外国人講師など。


日本人の英語力を、三流と称されるまで低下させたのは、日本の社会的構造そのものである。文科省、大学、大手スクール、単なるガイジン、大学生の就職先に当たる大企業。また、その事実に甘んじてきた受講生とその両親が集まって英会話スクールの形骸化に手を貸してきた。


企業は、高等教育の実態は大学にはなく「企業内教育」にあるとの暗黙の自負を持つ。大企業人事部を取材すると、大学生は4年間を遊んで暮らしてくれてそれで結構。下手に勉強されると、入社後、自社好みの人物に仕立てづらいという本音さえちらつかせる。そんな企業の姿勢が、入社試験で大学の成績も英語力も重視しない事実である。

文科省、大学、大手英会話スクール、外国人講師も、それに抵抗することなくあえて甘受してきた。また受講生もその両親も、大学生活の一環や英会話スクール通いを就職のための準備機関とのみ認識してきた。


しかし、厳冬の季節を迎えた英会話スクールは、従来の姿勢では通用しなくなりつつある。忘れ去った競争の原理、適者生存の理が、ここに来て教育の府にも復活しようとしている……。


英会話スクールの優劣を決定する要素はそのスクールがテレビCMなどで宣伝広告を打っている有名ブランドだからということではない。英語力のみならず、知的能力、資質に優れた受講生たちが、いかに多く集うか否かである。

そして、英会話スクール経営を極論すれば、より優れた受講生を集められるかの体制づくりにある。その意味では、スクール経営は企業にみるそれとは根本的な差異がある。


スクール評価のインディケーター(指標)は、企業に対する利益とは違い「社会評価」という数字で表せない抽象性を持っている。さらに突っ込んで語るならば、優れた知的能力、資質を持つ受講生が入学志望するようなスクールイメージ(語学を学ぶ文化)を醸成することである。

暖昧で測ることのできないような抽象的な社会評価であるが故に、スクール経営はこれといった「決め手」を欠きやすい。だが、世の中に存在する幾多の英会話スクールを比較検討すると、経営力の優れたスクールがより多くの受講生を集め、高い知的付加価値を植えつけて社会へ送り出しているのもまた事実である。


本コラムは以上の英会話スクールの経営的観点から、近年の人気の高い大手と中堅スクールにスポットライトをあて、各スクールの経営ぶりと将来性を分析することにする。また、スクールに勤務する日本人スタッフや外国人講師、大企業の人事部などにも忌憚のない意見を聞くことで、どのスクールがグローバル化時代のニーズにかなった理想像をつくり上げる力量を持っているのか、といった明日の業界地図を浮き彫りにしたい。さらに、入学して得する英会話スクール、コースを導き出せれば幸いである。


なお、文中に登場する人物の敬称は、慣例によりすべて略させていただいたのを、事前にお断りしてお詫びした上、次回より先に進めることにする。